当院の精神科治療の理念について
当院では理想の精神科医療を行うため、様々な職種が協力して、考えを共有して治療を進めることが必要と考えています。全職員が理想の治療に全力を注げるようにするため、下記のような精神科治療の理念を掲げています。
1.「精神症状から解放する。」
標準的な精神、薬物療法、身体療法を行い、主要な精神症状の改善を図る。
個人にあわせたオーダーメイドの薬物療法、精神療法、作業療法を行う。
2.「体をつくる。」
精神疾患があっても標準的な身体疾患の治療を受けられるようにする。(感覚器、歯科の治療も含む)
薬の副作用から自分を守り、生活習慣病にならないよう栄養管理を行う。また適切な運動、スポーツで健全な身体状態を維持する。
3.「精神疾患と生きる能力を作る。」
心理教育から様々な知識(病気の理解、薬の理解、社会資源の理解)を身につける。周囲の患者さんも自分と同様の症状や悩みがあり、またその対策の方法があることも集団精神療法 患者ミーティングなどを通して学ぶ。
4.「社会生活をする能力を作る。」
入院生活やデイケアの参加などを通して人と人との交流を深め、良い仲間をつくる。患者さんの家族が本人を支えることができるように、家族会を通じて家族の方も精神障害に対する理解を深め、患者さんにとって良い家族となる努力をしてもらう。就労への意欲や生活能力を高め、社会性が得られるように社会生活技能訓練(SST)、デイケア、就労支援などを通して実現できるよう努力する。
診断と治療について
1.診断について
当院には様々な精神症状のために受診されますが、なかには意識障害など、その原因が精神疾患によるものか、あるいは脳外科・内科的疾患によるものか不明な場合があり、精査、鑑別し見極める必要があります。
下記は、当院に受診されて実際にあったものの一例です。
このために、当院では次のような機器を使用し、その診断精度の向上に取り組んでいます。
①CT装置(コンピューター断層撮影)
体を断面的に撮影することができる機器です。当院では、認知症を含め様々な疾患の診断に用いています。検査中は寝たままの姿勢で行い、検査時間は頭部だけであれば5分程度です。また頭部以外にも、胸や腹部の検査を行い、様々な身体合併症の診療に活用しています。
②光トポグラフィー検査
光トポグラフィー検査は、近赤外線により脳の流れる血液量の変化を測定します。測定の器具を頭に装着しいくつかの質問にお答えいただき、その間の脳内の活動状態を測定します。
こちらの検査は、主にうつ状態の方へ実施しております。
※検査のひとつであり、この結果だけで診断を行うわけではありません。
※検査そのものに治療効果はありません。
②その他の検査
その他に実施している検査についてはこちらでご紹介しております。
2.精神科治療について
精神科治療の中心となるのは精神療法と薬物療法です。
精神療法は、あらゆる精神疾患の治療の土台であります。近年うつ病に対する認知行動療法の有効性が注目されています。また、薬物療法では効果の高い、副作用の少ない新規の向精神薬を使うことができるようになりました。それらに加えて、精神疾患は上手な付き合いが大切であるため、疾患教育・精神科リハビリテーションが重要です。そして、高齢者のうつ病が増加していることもあり、身体療法である精神科電気けいれん療法(紹介ページへ)が行われるようになっています。
疾病教育・精神科リハビリテーション ~再発の防止、退院後のより良い生活のために~
①入院中の心理教育
抗精神病薬の単剤化の必要性ついて、いわれて久しいですが、なによりも重要なことは、処方の内容が症状を充分に改善できる量・内容で、且つ、副作用を考慮し、長期的な内服が可能な量・内容であるかということです。(症例によっては内服薬ではなく抗精神病薬の持効性注射剤を使用しています。)
短期間で入退院を繰り返す患者様に共通することは、自分の病気や症状について理解が不足していること、飲んでいる薬についての理解が不足していること、自分の症状や副作用を正しく伝えられないことです。
そのためには患者様に自らの病気について、内服薬の効果、副作用について正しく理解して戴くことが重要です。さらに自らの症状、副作用をことばで表現できること(言語化できる)が望ましく、患者様本人のみが感じていた病状や副作用を医師、看護師、家族にことばで伝えることができれば、症状の著しい悪化を防ぐことにつながります。
当院では、入院後急性期の病状が安定した時点でこれらの理解を進めるために心理教育を行い、そのなかで処方されている内服薬の名前や内服の仕方などについて理解していただけるように説明させていただきます。
現在では統合失調症と気分障害についての心理教育を行っていますが、疾病理解については医師と作業療法士が、社会資源の利用については精神保健福祉士が、様々なテーマについての集団精神療法については心理士が中心となって行っています。
②社会生活に向けての援助
当院では、精神疾患のために自己実現の妨げになっている現状を解決していくための援助活動を行っております。日常生活訓練や就職などの社会活動など個々の問題の解決に向けて取り組んでおります。
1.デイケアセンター
2.精神科訪問看護
3.ひまわりホーム
この他にも、患者様を支えている家族様へもご意見を交換する場や精神科へのご理解を深めていただく機会を設けております。
4.ご家族支援プログラム
精神疾患別の取り組み
厚生労働省によれば、「精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年大幅に増加しており、平成23年は320万人と依然300万人を超えています。内訳としては、多いものから、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症などとなっており、 近年においては、うつ病や認知症などの著しい増加がみられます。(厚生省HPより)」
当院では統合失調症、気分障害(うつ病、双極性障害)、認知症疾患を中心に入院外来での医療を行っています。それぞれについての説明と当院での取り組みについてご説明します。
部署別の取り組み
当院では、医師や看護師の他にも様々な専門分野のスタッフがおり治療へのお手伝いをさせていただいております。その多くは国家資格を有する専門職であり、その専門性や技術面の向上を日々努めおります。
実際に受診された際に、皆様にどのような関わりを持って、どのようなことをしているのか詳しくは各ページをご覧ください。
当院の精神科医療の取り組みについて
当院では理想の精神科医療を行うため、様々な職種が協力して、考えを共有して治療を進めることが必要と考えています。全職員が理想の治療に全力を注げるようにするため、下記のような精神科治療の理念を掲げています。
1.「精神症状から解放する。」
標準的な精神、薬物療法、身体療法を行い、主要な精神症状の改善を図る。
個人にあわせたオーダーメイドの薬物療法、精神療法、作業療法を行う。
2.「体をつくる。」
精神疾患があっても標準的な身体疾患の治療を受けられるようにする。(感覚器、歯科の治療も含む)
薬の副作用から自分を守り、生活習慣病にならないよう栄養管理を行う。また適切な運動、スポーツで健全な身体状態を維持する。
3.「精神疾患と生きる能力を作る。」
心理教育から様々な知識(病気の理解、薬の理解、社会資源の理解)を身につける。周囲の患者さんも自分と同様の症状や悩みがあり、またその対策の方法があることも集団精神療法 患者ミーティングなどを通して学ぶ。
4.「社会生活をする能力を作る。」
入院生活やデイケアの参加などを通して人と人との交流を深め、良い仲間をつくる。患者さんの家族が本人を支えることができるように、家族会を通じて家族の方も精神障害に対する理解を深め、患者さんにとって良い家族となる努力をしてもらう。就労への意欲や生活能力を高め、社会性が得られるように社会生活技能訓練(SST)、デイケア、就労支援などを通して実現できるよう努力する。
診断と治療について
1.診断について
当院には様々な精神症状のために受診されますが、なかには意識障害など、その原因が精神疾患によるものか、あるいは脳外科・内科的疾患によるものか不明な場合があり、精査、鑑別し見極める必要があります。
下記は、当院に受診されて実際にあったものの一例です。
このために、当院では次のような機器を使用し、その診断精度の向上に取り組んでいます。
①CT装置(コンピューター断層撮影)
体を断面的に撮影することができる機器です。当院では、認知症を含め様々な疾患の診断に用いています。検査中は寝たままの姿勢で行い、検査時間は頭部だけであれば5分程度です。また頭部以外にも、胸や腹部の検査を行い、様々な身体合併症の診療に活用しています。
②光トポグラフィー検査
光トポグラフィー検査は、近赤外線により脳の流れる血液量の変化を測定します。測定の器具を頭に装着しいくつかの質問にお答えいただき、その間の脳内の活動状態を測定します。
こちらの検査は、主にうつ状態の方へ実施しております。
※検査のひとつであり、この結果だけで診断を行うわけではありません。
※検査そのものに治療効果はありません。
③その他の検査
その他に実施している検査についてはこちらでご紹介しております。
2.精神科治療について
精神科治療の中心となるのは精神療法と薬物療法です。
精神療法は、あらゆる精神疾患の治療の土台であります。近年うつ病に対する認知行動療法の有効性が注目されています。また、薬物療法では効果の高い、副作用の少ない新規の向精神薬を使うことができるようになりました。それらに加えて、精神疾患は上手な付き合いが大切であるため、疾患教育・精神科リハビリテーションが重要です。そして、高齢者のうつ病が増加していることもあり、身体療法である精神科電気けいれん療法(紹介ページへ)が行われるようになっています。
疾病教育・精神科リハビリテーション
~再発の防止、退院後のより良い生活のために~
①入院中の心理教育
抗精神病薬の単剤化の必要性ついて、いわれて久しいですが、なによりも重要なことは、処方の内容が症状を充分に改善できる量・内容で、且つ、副作用を考慮し、長期的な内服が可能な量・内容であるかということです。(症例によっては内服薬ではなく抗精神病薬の持効性注射剤を使用しています。)
短期間で入退院を繰り返す患者様に共通することは、自分の病気や症状について理解が不足していること、飲んでいる薬についての理解が不足していること、自分の症状や副作用を正しく伝えられないことです。
そのためには患者様に自らの病気について、内服薬の効果、副作用について正しく理解して戴くことが重要です。さらに自らの症状、副作用をことばで表現できること(言語化できる)が望ましく、患者様本人のみが感じていた病状や副作用を医師、看護師、家族にことばで伝えることができれば、症状の著しい悪化を防ぐことにつながります。
当院では、入院後急性期の病状が安定した時点でこれらの理解を進めるために心理教育を行い、そのなかで処方されている内服薬の名前や内服の仕方などについて理解していただけるように説明させていただきます。
現在では統合失調症と気分障害についての心理教育を行っていますが、疾病理解については医師と作業療法士が、社会資源の利用については精神保健福祉士が、様々なテーマについての集団精神療法については心理士が中心となって行っています。
②社会生活に向けての援助
当院では、精神疾患のために自己実現の妨げになっている現状を解決していくための援助活動を行っております。日常生活訓練や就職などの社会活動など個々の問題の解決に向けて取り組んでおります。
1.デイケアセンター
2.精神科訪問看護
3.ひまわりホーム
この他にも、患者様を支えている家族様へもご意見を交換する場や精神科へのご理解を深めていただく機会を設けております。
4.ご家族支援プログラム
精神疾患別の取り組み
部署別の取り組み
当院では、医師や看護師の他にも様々な専門分野のスタッフがおり治療へのお手伝いをさせていただいております。その多くは国家資格を有する専門職であり、その専門性や技術面の向上を日々努めおります。
実際に受診された際に、皆様にどのような関わりを持って、どのようなことをしているのか詳しくは各ページをご覧ください。